第2回
食肉の歴史に関する雑学~歴史~
こんにちは、代表取締役社長の中嶋武司(お肉博士1級)です。
今日は、食肉文化がどのように日本で育まれてきたのかを簡単に書いていこうと思います。
お肉検定1級の教本から、ポイントとなるところを抜粋して、下記に、各時代を箇条書き風に並べてみました。
縄文時代
食料の加工や備蓄が行われるように ! また動物の内臓も食べるようになり栄養価の高い食事をしていた。
弥生時代(前期)
鳥類が食され始め、特に鵜(う)、鴫(しぎ)、鷺(さぎ)、鳩(はと)、鳶(とび)などが食されていた。
弥生時代(後期)
島国で豊富な魚介類に恵まれていたため、肉食の習慣は定着することはなかった。
古墳時代
仏教伝来のため、肉食を避ける風習ができた。天武天皇は、牛・馬・サル・鶏の肉を食べることを禁じていた。
飛鳥時代
山野で首領による鳥獣の肉を楽しむ風習が続いていた。=薬猟と称していた。
奈良・平安時代~鎌倉時代
武家の文化の中で、「狩場」は、戦いの鍛練場のためだけではなく、貴重な栄養素、タンパク質源を確保する場所として珍重されていた。
室町時代
日本料理の原型が形作られた時代。
安土桃山時代
仏教の殺生戒の解放で、牛肉や豚肉が食用とされ受け入れられるようになった。ただし、後に、秀吉は伴天連追放令でキリスト教を禁じて、牛馬をと殺して食用にすることを禁した。
鹿食免(かじきめん)
参考:http://marishi.weblogs.jp/blog/2009/10/post-cbd8.html
江戸時代(前期)
生牛馬のと畜禁止令は江戸時代では定法だった。近江彦根藩では、牛のと畜が黙認されて、牛肉の味噌漬け等の保存食が開発され、病気を治したりと薬喰いが考案された。
江戸時代(後期)
「山くじら」の看板を出す店で、イノシシ肉など野獣の肉が食された。また、「ももんじ屋」ではイノシシ肉の他に、シカ、タヌキ、鳥類などの肉が食された。
明治時代(前期)
関東風すき焼きのルーツともなる牛鍋のブームが起きた。肉料理は家庭料理の仲間入りを果たした。海軍も牛肉を栄養食として採用した。福沢諭吉も食肉を勧めていた。
明治時代(後期)
豚肉料理、3大洋食、トンカツ、カレー、コロッケが登場した。
大正・昭和初期時代
欧米より食肉加工の技術が伝わった。食肉加工業界が成長した。
昭和(中期)
昭和30年以降、アメリカの食文化が伝わることによって食肉消費の拡大が進んだ。大規模飼育が行われるようになった。鶏肉も専用ブロイラー生産が始まった。
昭和(後期~現在)
肉食が広く一般家庭に広まった。外国産肉の輸入が行われるようになった。
だいぶ簡単な各時代の説明ですが、このようにして、今の私たちのお肉を食べる文化が育ってきたんですね。
食文化を知ることによって、大好きなお肉を食べることをより楽しくさせますね!
今後もまた色々な雑学に触れていきたいと思います。
担当: 中嶋武司 代表取締役社長 お肉博士1級
参考: 「第6回お肉検定 講習会1級テキスト2017」1-9